子供の結婚相手の言動に不安があった時や内定を出した人物の素性を知りたい時に使う身辺調査。
しかし、普段そう言った調査と縁がない人はどれぐらい費用がかかるのか、また適正な価格なのか判断がつきませんよね。
そこでこの記事では、身辺調査にかかる費用や相場、調査に必要な項目についてお話しします。
身辺調査にまつわる費用を知ることで、妥当な価格で安心して調査を依頼できるよう、参考にしてください。
1、身辺調査の費用はいくら?
身辺調査をしたいと考えた時、どの程度の予算を考えておけばいいのでしょう。インターネットで検索すると、探偵事務所のホームページに書かれている値段は会社によって違いますね。
探偵事務所の調査料金は、それぞれの会社で定めて良いことになっているので、「必ずこの値段」という決まりはないのです。そのため、身辺調査の費用も探偵事務所によって異なります。
ここでは、一般的な探偵事務所の料金の決め方から身辺調査の費用の相場についてお話しします。
(1)まずは知っておきたい探偵事務所の料金の決め方
探偵事務所が決める料金は、どのように決まるのか知っていますか?「調査をするのだから、調査料金だけ払えばいい」と思っていると大間違いです。
一般的に、探偵事務所の料金は下記の項目で成り立っています。
- 着手金(手付金など別の呼び方をする場合もあります)
- 調査費用
- 成功報酬
着手金は、調査を始める際に支払うお金です。調査が成功したのかどうかに関わらず、返金はされません。また、調査費用の一部を先払いするのとは違い、着手金は着手金として扱われます。
また、着手金の金額は調査の難易度に応じて変わるのが一般的です。成功報酬は、調査が成功した場合に支払う料金です。
(2)調査費用に含まれるもの
調査に関わる費用を一括して調査費用と呼びます。どんな項目が調査費用に当たるのか、一つずつ見ていきましょう。
①調査員にかかる人件費
探偵事務所の調査員は、通常二人一組で行動します。
これは尾行をする際に一人だけだと調査対象者に気づかれやすかったり、巻かれる結果になりやすいため、そうならないよう防止するためです。
また、調査対象者の行動範囲によっては、より多くの調査員が必要になることもあります。ここで注意したいのは、見積もりの際に調査員の費用を一人分で計上している探偵事務所もあること。
実際の調査は二人以上で行われるので、調査終了後に人件費が倍になっているケースもあります。
見積もりの時には、調査員の人数と提示された金額は何人分なのかを必ず確認しておきましょう。
②調査でかかった費用(経費)
電車やタクシーを使った時の交通費や宿泊をした場合の宿泊費、燃料代など調査にかかった実費を経費として請求されます。
また、浮気調査などでは、証拠を押さえたフィルム代も経費に含まれます。
③調査報告書の作成などといった「その他手数料」
調査にかかった実費以外の費用です。例えば、調査報告書の作成を依頼した場合や事務処理手続が必要である場合などに発生します。
(3)身辺調査の費用を抑えるコツ
身辺調査にかかる費用は決して安いとは言えません。どうにかしてコストを抑えたいところですね。ここでは、身辺調査の費用を抑える方法についてお話しします。
①知っている限りの情報を渡す
白紙ベースで調査を始めるのと、ある程度情報を得た上で調査をするのとでは、かかる期間が異なります。期間が短ければ、それだけ費用が浮く可能性があります。
例えば、通勤で使っている路線や車のナンバー、よく立ち寄る場所や自宅など、知っている限りの情報を渡しましょう。
②不要な項目を削る
身辺調査で「一体何を知りたいのか」項目を絞ることもできます。犯罪歴や借金の有無だけわかればいいのか、現在の資産や出身地など全てを知りたいのかで、調査の難易度も変わります。
探偵事務所によっては不要な項目を削れる場合もありますので、相談してみましょう。
(3)調査目的別:調べたほうがいい項目と調査期間の目安
身辺調査の目的には、様々なものがあります。「結婚相手の身元を調べたい」や「今度採用する人物の調査をしたい」などです。
目的によって知っておいたほうがいい項目や削っても問題のない項目があります。あなたが依頼を考えている目的の時にはどの項目を選べばいいのかを知っておきましょう。
①結婚前の身辺調査をする場合
氏名、住所、勤務先といった基本情報だけなら、早ければ1日で終わります。
しかし、「浮気をしていないか」「借金はないか」「親族に問題はないか」など他の項目を追加すればするだけ、期間が長くなり費用もかさみます。
「あなたが心配していることは何か」を考えれば自然に項目も絞れますので、よく考えてみましょう。
②浮気相手の身辺調査をする場合
「配偶者が浮気をしているけれど、相手が誰だかわからない」あるいは「顔はわかっても住所氏名がわからない」などというケースです。
日本では、訴状を送るのに相手の住所氏名が必要になりますので、浮気相手の情報がわからないままでは裁判もできません。この場合、確実に押さえておきたいのは住所と氏名です。
また、慰謝料の請求を検討している場合は職場や財産、家族についてなども調べておいたほうがいいでしょう。
浮気相手の身辺調査の場合、浮気相手との密会の日にちや場所がわかっていれば、かなりスムーズに調査することができます。
浮気相手との密会のタイミングがわかっていて、住所氏名だけを希望する場合は1日で分かる場合もありますし、状況によっては5日以上掛かる事もあります。
他の項目を合わせると2週間~1ヶ月弱程度を見ておきましょう。浮気の有無から調査する場合にはもっと時間がかかることを覚悟しておきましょう。
③内定者の身辺調査をする場合
「提出された履歴書に書かれた経歴は本当か」と調べる企業は数多くあります。この場合、出身校の記録を辿ったり、かつての職場で調査をすることになります。
退職理由を偽っているケースや過去に企業で起こしたトラブルを黙っている場合もありますので、職歴とトラブルに重点をおいたほうがいいでしょう。
調査期間の目安は経歴にもよりますが約2週間程度を見ておきましょう。
2、身辺調査で調べる項目
身辺調査では、調査対象者の出生から現在に至るまで、あらゆることを調査します。具体的にどんな内容を調査できるのか、一つずつご紹介します。
(1)パーソナルデータ
調査対象者本人にまつわる基本的な情報です。近年はインターネットで出会った人と結婚を考える人も増え、「相手が本当のことを言っているのか知りたい」という依頼も増えています。
①住所・氏名
現在住んでいる住所や本当の名前を調べます。
②勤務先
現在勤務している職場もわかります。職場だけではなく、現在の役職も知ることができます。よくあるのが同じビルに入っている別会社を名乗っていたり、異なる役職を詐称しているケースです。
身辺調査を行えば、こういった嘘もすぐにわかってしまいます。
③学歴・職歴
学歴や職歴に偽りがないかも調査します。また、過去に職場でトラブルがなかったか、退職理由に虚偽はないかなども調べられます。
④趣味や思考
どんな趣味を持ち、どんな思考を持っているのかなどを調べます。趣味にお金を使っている場合には、その頻度や金額。思考セミナーなどに通っている場合はそちらもわかります。
⑤人柄
調査対象者の周囲への聞き込みは高確率で行われます。ゴミ出しのルールは守るのか、挨拶はきちんとするのかなど、かなり細かな点まで聞き込みします。
(2)交友関係
調査対象者本人だけではなく、周囲にどんな人物がいるのかも調べることができます。
①友人・知人
普段交流がある友人、知人はどんな人物なのかがわかります。友人・知人とどのような付き合い方をしているのか、年齢や男女比、嗜好も合わせて調査します。
②浮気の有無
友人・知人などの交流関係は男女関係なく徹底的に調査するので、調査の過程で浮気の有無もわかります。
③宗教団体や政治団体との関わり
過去や現在において宗教団体や政治団体への加入や関わりの有無があったかどうかがわかります。
(3)財産の有無
現在の財産の他に、借金やギャンブルの有無など、プラスマイナス含めた資産にまつわるあらゆる情報を調べます。
貯金額の他に、普段の金使いはどうか、例えばキャバクラで散財する癖はないかなどもわかります。
3、身辺調査に違法性は?
身辺調査でわかることは、個人情報だらけです。「本人に無断でこんなに調べて大丈夫なの?」と不安になることもあるでしょう。
探偵事務所に依頼する場合、調査員は探偵業法に基づいて調査をしているのでご安心ください。
ただし、下記のような調査は探偵業の届け出をしている探偵事務所は受けない調査ですし、個人で調べようとした場合には法に抵触する可能性がありますので注意が必要です。
- 相手の預金口座やローン、キャッシングなどの借入内容の調査
- 住民票や戸籍に関する公的機関で発行される資料の不正入手
- 居住先に勝手に侵入する行為
- 調査に関係のない第三者への個人情報の提供
- 嫌がらせ等でパートナーと別れるよう仕向ける行為
- 調査対象者の職場や知人に嘘の情報を流すなどの嫌がらせ行為
また、探偵事務所に依頼した場合でも、探偵事務所が違法な調査を行っていた場合、依頼者であるあなたの責任を問われる可能性もあります。
身辺調査を依頼するには、信用できる探偵事務所を選ぶことが大切です。
4、信用できる探偵事務所を選ぶコツ
2017年現在、日本には多数の探偵事務所が存在します。その中から信用できる探偵事務所を選ぼうと思った時、どのようなポイントをチェックすればいいでしょうか。
ここでは、信用できる探偵事務所を選ぶコツについてお話しします。
(1)料金体系がわかりやすい
料金体系が明示されていたり、全ての費用を含んだパックプランがあるなど、依頼者にとってわかりやすい料金体系をしているところは、支払い時にもトラブルになりにくく安心です。
着手金や成功報酬の説明をしてくれるか否かも大切なポイントです。また、調査員の数や調査方法によって料金は変わってきます。
なぜその調査が必要なのか、どうしてこの方法なのかも説明してくれる探偵事務所を選びましょう。
(2)探偵業届出証明書が提示されている
探偵事務所を開くためには、公安委員会に探偵業を営んでいる旨を届けなければなりません。この届出を公安委員会が受理した場合、探偵業届出証明書が公安委員会から発行されます。
きちんと届出を出した証である探偵業届出証明書は、事務所内の見やすい場所に提示するよう義務付けられています。事務所に訪れた際は、この証明書があるかどうかを確認しましょう。
また、探偵業届出番号をホームページに記載しているかどうかもチェックのポイントです。
(3)過去に行政処分を受けていない
探偵事務所が法に触れる調査を行って行政処分を受けた場合、3年間にわたってその情報が公開されます。
各都道府県警のホームページや電話問い合わせで確認できますので、依頼をする前に調べてみましょう。
■東京都の場合
www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetsuzuki/tantei/shobun/index.html
(4)身辺調査に慣れている
探偵事務所にも調査内容によって得手不得手があります。特に、浮気調査に慣れていても、身辺調査は苦手だったりする探偵事務所も数多くあります。
報告書のサンプルを提示してもらうなど、その探偵事務所が身辺調査を任せられる探偵事務所か確認しましょう。
(5)調査員との相性は?
料金体系がわかりやすく、調査実績も申し分なしという探偵事務所が複数あった場合、最終的には調査員とのフィーリングが合うかどうかになります。
説明される項目が最小限でいい人は全部説明してくれる探偵事務所はくどいと感じるでしょうし、逆に細部まで知りたいのに大筋しか説明されない場合は不親切と感じるでしょう。
あなたが望む対応をしてくれるかどうかというのも、重要なポイントです。
まとめ
いかがでしたか?今回は身辺調査の費用と費用の内訳、安くするポイントについてお話ししました。何のために身辺調査をするのかを考えると、削っても問題のない項目が見えてきます。
この記事を参考に、信頼できる探偵事務所で満足のいく調査結果を得てみてください。
